(補足) 生殖補助医療に関する質問・その他
  • 離婚後300日以内の出産であれば、前夫の嫡出子として推定されますので、法律上の父子関係も赤ちゃんは前夫の子となります。
※離婚後301日以降の出産の場合も、懐胎時期が離婚以前であることが証明されれば、前夫の子とすることができます。ただし、この場合は嫡出推定が及ばないため、のちに親子関係不存在確認の主張がなされる可能性が残ります。
  • 離婚後の懐胎の場合、たとえ血縁上は前夫が父でも、出生により自動的に法律上の父として親子関係を形成することができません。
  • 法律上も前夫の子としたい場合には、認知が必要となります。
  • また、たとえ血縁上は夫婦の間に生まれた子であっても、離婚後に懐胎された子は母の非嫡出子となります。
  • 懐胎時期が夫の死後である場合、法律上の父子関係を形成することはできません。

参照:2006年9月4日最高裁判所 判決
「保存された精子を用いて当該男性の死亡後に行われた人工生殖により女性が懐胎し出産した子と当該男性との間に、法律上の親子関係の形成は認められない。」(裁判所HPより)

※現在はまだこのような形で出生した子と死亡した血縁上の父との間に法的親子関係を定める立法がなく、法律上の親子関係の形成は認められていません。
  • 嫡出の推定が重複し、懐胎時期から父親を特定することができない場合、「父を定める訴え」の手続が存在します。
  • ただしこれは、民法第773条の再婚禁止期間に違反して婚姻し嫡出の推定が重複した場合のために設けられた制度です。

参考:人事訴訟法第43条 (父を定めることを目的とする訴えの当事者等)
「子、母、母の配偶者又はその前配偶者は、民法第773条 の規定により父を定めることを目的とする訴えを提起することができる。」

※もしも法律上の親子関係と血縁上の親子関係を一致させることを望むならば、子の出生後に鑑定を行い、事実と異なる嫡出推定が及ぶ場合には配偶者から嫡出否認の手続を行なってもらったのち、血縁上の父による認知を受ける必要があります。
  • 日本の民法では、2種類の養子縁組について定めています。
  • 普通養子(戸籍に養子縁組の事実と実親について記載がなされる)と、特別養子縁組(戸籍に残らず、実親と子との親子関係を終了させ、養親との間に新たな親子関係を成立させる)とがあります。
  • 出生前から養育が困難となることが明らかである場合、赤ちゃんを望む夫婦との特別養子縁組をサポートするNPOなどがあります。まず産科医・助産師・保健師さんに相談してください。
  • 離婚後の再婚禁止期間が6か月から100日に短縮されました。
  • 離婚時に妊娠していなかった場合には再婚禁止期間は適用されません。離婚時に妊娠していなかったことを医師の証明書により証明できる場合は100日の経過を待たず直ちに再婚することができます。
  • 離婚時に妊娠していた場合は、離婚後100日が経過するか、妊娠していた子を出産した場合には、直ちに再婚することができます。ただし、再婚が可能となっても、離婚後300日以内に生まれた子には前夫の嫡出推定が及びます。

女性の再婚禁止期間

離婚時 再婚禁止期間
妊娠している 再婚禁止期間あり
(原則離婚後100日)
再婚禁止期間終了後=再婚可能
離婚時に懐胎していた子の嫡出推定
  • 出産(流死産含む)により再婚禁止期間終了
  • この間に出産しなかった場合は100日間
離婚後300日以内の出産 離婚後301日〜再婚後200日までの出産 再婚から200日経過後の出産
前夫の子と推定
  • 前夫・再婚夫いずれの子とも推定されない
  • 再婚後の出産の場合は再婚夫の子として出生届出可能(推定されない嫡出子)
再婚夫の子と推定
離婚後に新たに懐胎した子の嫡出推定 離婚時妊娠していたのでこの時期の新たな懐胎は起こり得ない 再婚禁止期間終了後に新たに懐胎した子は前夫の子と推定されない
妊娠していない 再婚禁止期間なし
(離婚後100日以内であっても離婚時に妊娠していなかったことが証明できれば直ちに再婚可能)
離婚後に懐胎した子の嫡出推定 再婚から200日までの出産 再婚から200日経過後の出産
  • 再婚夫の子とは推定されない
  • 離婚後の懐胎であることが証明できれば再婚夫の子として出生届出可能(推定されない嫡出子)
  • 出産が離婚後300日以内になる場合についてはQ26&27参照
再婚夫の子と推定
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